いまの カタクリは

先月の3日に 八王子山のカタクリ祭が盛大に開催されました。




今年も 県内から多くの見学者を迎えました。



そこで、毎年の様に カタクリのタネを分けて欲しい と 言われる。

年配の( 実際には、私と同じ年代だったり。。?!)ご夫婦が多いです。


頼まれれば、引き受けてしまう 私で

今年も 7名様より 依頼をされてしまった。


実は、カタクリのタネを 採取するには 非常に難しいのです。



カタクリが咲く頃は、

他の雑草などの植物が 未だ、芽を出す前の時期です。



ところが、タネが出来る頃になると

さて、どこに どこで 咲いたっけ と 思うほど 草が生えてしまい


探すのが 一苦労です。


また、カタクリのタネって 丸三角形の様な形で 


最初は、緑色をしている。


そして、タネが完熟する頃は 薄黄色に化けます。

この時が 採取するタイミングなのですが

チト、遅れると タネ皮が破れて タネを弾いてしまいます。



採取に 行ったら 殻だけだった!なんて事も多々



そんな訳で この所 暇を見つけては

群生地へ出掛けて タネの様子を 見て来ています。



カタクリは、非常に面白い(賢い)習性を身につけています。

それは、平らな所で 繁殖するのに 

タネの回りにベタベタしたエライオソーム( 脂肪酸アミノ酸、糖などを含み) が

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%A0

付着していまして、 実は、コレを アリ(蟻)が大好きで

蟻は、カタクリのタネを見つけると 一目散で タネを巣へ運びます。

そして、エライオソームだけを剥ぎ取り タネは、巣の回りに捨てます。

これに寄って カタクリは 繁殖範囲を広げて行くのです。


なかなか、進化した植物ですね!


我が、八王子山のカタクリは 山の斜面に生えているので

必然的に 弾ければ タネは、下へ 転がって行きます。

そんな訳で ここでは、親の下に 子供達が 沢山育っています。


私の好きな山野草 ヤマシャクヤクも 自然界の山々では

親の回りに 沢山の子供達を見ます。

1株 見つけたら その回りを探しますと あります。



今日も 早朝(朝食前)に 散歩がてら カメラを持って

現地へ 行って来ました。


まだ、緑色でした。



この分ですと 5月の末頃かな?


採取のタイミングが 難しいです。


タネを採取しましたら 乾燥させない様に

女性が使う めくるコットン(綿)に 蒸留水を締め込ませて

タネを綿で包み チャック付きのビニ小袋に納めます。


そして、配布希望者へ電話をして 早めにお渡しし

希望者も 早めに 地面か植木鉢に バラ蒔きます。

水をタップリと与えたら 日陰に置きます。

出来れば 広葉樹の下 そんな環境がなかったら 西日のあたらない所に

あまり、乾燥をさせてしまうと 参ってしまうので

時々、水を 少しだけ 与えます。

冬期に 積雪になっても 雪に埋もれても 構わない。


早春になりましたら 日射しのある庭の片隅に出して下さい。

3月頃になると コレが あのカタクリって感じの

細いネギの様な 幼苗が 伸びて来ます。


そして、4月末になったら 日陰へ移して下さい。

5月の声を聞く頃になると このネギの様な茎は枯れてしまいます。

夏眠に入ります。 暑い夏は 地中でおとなしくしています。

秋になると 来春に向けて 地中で 根を動かしはじめて

また、冬眠をします。

そして、翌年の3月頃に 初めて 親に似た 葉っぱを広げます。


そして、翌年(3年目)


これを 繰り返して 葉も根っこ(細太)も太り

そう あの片栗粉の語源となった 澱粉を根に蓄積します。

葉っぱが 2枚になる7年〜8年後に 花を咲かせます。


なかなか、気の長い植物ですね。


 



じゃあ、またネ!



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